線形フィルタは、周辺画素の画素値に一定の係数を掛け、その和で出力画素を決める空間フィルタリングである。画像全体を明るくする処理ではなく、注目画素の近くにある画素を使って、ぼかし、ノイズ低減、輪郭の強調などを行う。計算規則が加算と定数倍で表せるため、処理の意味を数式やフィルタ係数として整理しやすい。
線形フィルタでは、注目画素を中心とした小さな範囲を取り出し、各画素に係数を掛けて合計する。係数の並びをフィルタやカーネルと呼び、係数の設計によって処理の性質が変わる。たとえば、すべての係数を均等にすると平均化フィルタになり、中心付近を重くすると加重平均化フィルタやガウシアンフィルタに近い考え方になる。一方、値の大小関係で出力を決めるメディアンフィルタは線形フィルタではない。
CG制作では、レンダリング画像やテクスチャにぼかしを加えたり、細かいノイズを目立ちにくくしたりするときに線形フィルタの考え方が使われる。フィルタ係数を変えることで、滑らかな画像にする処理と、輪郭を目立たせる処理の両方に応用できる。
ゲーム開発では、ポストエフェクト、影のぼかし、低解像度画像の補正、画面全体のフィルタ処理などで線形フィルタの考え方が現れる。リアルタイム処理では、処理品質だけでなく、参照する画素数と計算回数による負荷も重要である。
3×3のフィルタなら、注目画素と周囲8画素を読み取り、それぞれに係数を掛けて合計する。係数の合計を1にしておくと、画像全体の明るさを大きく変えずにぼかしをかけやすい。
線形フィルタは、画素値の加重和で出力を決めるフィルタである。非線形フィルタとの違いは、中央値や最大値のような選択処理ではなく、係数を掛けて足す処理で表せる点である。